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石塚小五郎を偲ぶ
社長の寺子屋

生前発行されたメルマガ「社長の寺子屋」を公開します。(以下、原文掲載)

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件  名 : ドラゴン商会「社長の寺子屋 Vol.3」です
差 出 人 : ドラゴン商会
送信日時 : 2003/07/01 01:50
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     ◆◇◆ドラゴン商会 社長の寺子屋 Vol.3◆◇◆
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        ゜'・*:.。                       .:*:・'゜
            ★〜 CONTENTS 〜★彡
          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     【1】ご挨拶
     【2】社長の寺子屋「真田幸村と六文銭」
     【3】兵どもが夢の跡
     【4】お問い合わせ・配信停止はこちらです
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   ■ 荒海や 佐渡に横たふ 天河   ( 芭蕉 )


 七夕の頃はいつもうっとうしい日が続き、今年は彦星と織姫が逢う事が
できるかと、連日の雨に心までしめっぽくなりがちです。
 天の川を渡って、牽牛星と織女星とが1年に1度逢うという中国の伝説は、
奈良時代頃から広まったらしいですが、昨今は携帯電話の普及が広まり、
そんなロマンチックな恋もできなくなりましたネ―


 さあ、気持ちを取り直して!いつもお世話になっております。
ドラゴン商会店長の辻村です。


 「社長の寺子屋」もVol.1の「知っていますか?寛永銭の寿命」、
Vol.2の「贋物が高価な世界―天保銭」と、今回でVol.3に
なりますが、不思議なことに、Vol.1と2の原稿を書き終えてすぐ、
寛永通寳と天保通寳をかなりな数入手致しました。


 それが見事な手作りの桐の箱に1枚ずつ並べられており、高価なものでは
ないのですが、状態がよく、これを収集なさった方が2つの古銭をいかに
愛されていたかが伝わってくるようです。
 千葉県在住のお客様でしたが、何年か前に古銭の価値というより、
桐の箱に丁寧に収集されているのに魅せられて、骨董屋さんで買われたそうです。
 東京を通り越して、千葉から、ましてこの2つの古銭を寺子屋で取り上げた
すぐ後でしたので、私は「ちづるのひとりごと」でいつも書いているように、
御縁の不思議さに驚き、こういう収集家の方に収集された寛永銭と天保銭を
見ていると、何故か感動して、胸がいっぱいになる思いでした。

 古銭商を商っていて、よかったとつくづく思う出来事でした。





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  ■  さて「社長の寺子屋Vol.3」は「真田幸村と六文銭」です  ■
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   *-*-*- 六道銭(ろくどうせん) -*-*-*
 
 我が国では、古くから棺中に銭六枚を入れる風習があり、
これを「六道銭」と呼んでおり、中国では「昏寓銭」と言っています。

 
 この風習は、いつの頃からか生じたか詳らかではありませんが、
もともとは「金属には悪霊が近づくのを防ぐ力がある。」という
考え方から発せられた風習と思われます。
 例えば、災禍を避け吉祥を求める「厭勝銭」(えんしょうせん)や
西安の死者の唇にササン朝ペルシャの貨幣をはさみ、魔除けとして
用いたなどが良い例です。
 すなわち、初めは仏教に関係なく、ヨーロッパや中国の風習を
見倣っただけのようです。

 
 それがいつしか仏教説話の地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・
天上道の六道能化のために地蔵菩薩におさめる報養銭となり、
人が死んだときに、あの世とこの世の境にある三途の川(葬頭河)を
渡る時の渡し賃としての「六道銭」、すなわち銭六枚を棺中に入れて、
死者が極楽往生できるようにという願いが込められるようになったのでしょう。




   *-*-*- 六道銭と六文銭 -*-*-*

 江戸時代になり、幕府直轄にて江戸亀戸で「寛永通寳」が鋳造されましたが、
これは京都の大仏銭を潰して造られ、面に「寛」、背に「文」の字をもって
発行年の「寛文」を表し、俗に「大仏銭」または「文銭」と呼ばれています。

 
 この「大仏銭」の出現により、大仏様のご利益を頼み、いつの間にか棺中に
寛永通寳の「文銭」6枚を入れるようになり、これを「六文銭」と呼ぶように
なったのではないでしょうか?

 
 徳川幕府は、何の利益のない事・・・と、この「六文銭」の風習を
戒めましたが、肉親を思う情は禁止できなかった様です。

 
 そして近代に入って、火葬の為に、この風習は紙に書いた「六文銭」に
変わりましたが、地方によっては、棺中に寛永通寳の「文銭」6枚を
入れるのではなく、法事などの引出物の一部として使われている所も
あるようです。

 
 昨今、失われていく風習が多い中で、このような先祖を尊ぶ風習が
形を変えて残っている事に、私は古い人間ですので、何かしら安堵の
気持ちが致します。




   *-*-*- 真田幸村と六文銭 -*-*-*

 猿飛佐助や霧隠才蔵などの「真田十勇士」で御存知の方も多いかと
思われますが、「真田日本一の兵」と言われた真田家の旗印も「六文銭」
または「六連銭文」(むつれんせんもん)と呼ばれています。

無文銭6枚を縦2列に現したもので、敵味方の区別をつける旗さしものの
印です。

 「六文銭」という呼び名から、前述の「寛永通寳」の「文銭」を
思い浮かべてしまいますが、真田家の旗印は通貨とはつながりません。

 何故なら、真田幸村は父である真田昌幸が武田信玄に出仕していた
永禄10年(1567年)に甲府で生まれ、1615年大阪夏の陣で
没しており、まだ「寛永通寳」は鋳造されていなかったからです。

 では、真田家の旗印「六文銭」は何を表しているのでいるのでしょうか?

 永禄10年大阪夏の陣五月七日、真田幸村勢は、徳川家康の馬印までを
倒し、家康を1度は切腹させようとまで追い込みました。
 しかし、数度の突撃で傷ついた幸村は、安居天神近くの畦で、
越前軍西尾宗次の槍にて、ついに倒れてしまいます。


 信州や大阪において、徳川二代を苦しめ、戦国時代最後の古武士の
意志を貫き通して世を去った真田幸村親子の「六文銭」の旗印―
これを使うことは、前述の三途の川の渡し賃である「六文銭」を表し、
不惜身命(仏のためには身命をささげる)決死の覚悟で戦うという
意味が込められていると思います。

 
 「真田日本一の兵」――義侠と意志と野望が交錯した戦国時代で、「誠」を通した
真田家の「六文銭」の旗印が、風になびく様子を思うと、
現代では失われつつある大切なものが何であるか、考えさせられて
しまうのです。





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    夏草や 兵(つはもの)どもが 夢の跡   芭蕉
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 社長の寺子屋Vol.1で、私は棺中に入れる一文銭が何故6枚なのか
わかりませんでしたが、「六道銭」から由来していたんですネ。

 六道とは、地獄道(極苦の世界)・餓鬼道(飢渇で苦しむ世界)・畜生道
(無知の世界)・修羅道(闘争にあけくれる世界)・人間道(苦楽相なかばする
世界)・天上道(快楽の世界)の事を指すそうです。

 そしてお地蔵様がこの六道の中に自ら身をおいて、人間をはじめとする、すべての
生物の苦しみを救おうと誓っている仏様なのだそうです。

 人間道―確かに苦楽相なかばする世界で、私は妙に納得してしまいました。

 ひとつのコインを調べているうちに、色々な知識が広がっていく。
これも収集の楽しみのひとつでしょうネ。




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 次回の「社長の寺子屋 Vol.4 は、「三蔵法師とシルクロード」(仮題)
の予定です。
 どうぞ、よろしくお願い致します。


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          最後までお読み頂き、ありがとうございます
       

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